高度経済成長期、昭和30~40年代にかけて、都心部に集中する労働者の持家政策推進のため、たくさんの分譲マンションが建てられました。当時はまだ珍しかった家風呂やダイニングキッチンを備えた住まいは誰もが憧れる存在でした。
それから約半世紀、全国にある区分所有マンションは、現在、約562万戸(マンション人口1400万人)。そのうち建築から30年以上を経たマンションは約100万戸に達します。(2009年末現在)
老朽化したマンションは、暮らしにさまざまな問題を及ぼし、現代社会への不適応も引き起こしています。
強固に見えるマンションも、鉄とコンクリートからできており、長年の風雨にさらされることで劣化し続けます。
これらの問題が著しくなったら、マンションの快適な環境を維持するための対策を検討する時です。
一概に建替えるべきだとか、大規模修繕が良いとかというものではありません。建物の状態、資産としての評価、再生に必要な費用、社会経済情勢など、さまざまな視点から判断しなければなりません。